日本ジャーナリスト協会主催【パレスチナ・中東情勢を学ぶ ― 歴史的視点とメディア・リテラシー】

複雑化するパレスチナ・中東情勢について、ジャーナリストがその背景と現状を多角的に理解し、的確に伝えるためには何が必要か。本セミナーは、報道に携わる者にとって、この重要課題に対する深い洞察と実践的な視座を得る貴重な機会となるはずです。

本セミナーでは、まず1970年代から30年間にわたりパレスチナの解放闘争に関わり、現地の人々と共に生きた経験を持つ重信房子氏を講師にお招きし、氏の体験に基づく、当時のパレスチナ社会や抵抗運動の実像、そして国際社会との関わりについて、直接お話を伺います。

第 2 回および第 4 回には、房子氏の娘でありジャーナリストの重信メイ氏をお迎えします。メイ氏には、その専門分野である「中東紛争をめぐる報道のあり方」について、ジャーナリズム論・メディアリテラシーの観点から専門的な分析と問題提起を行っていただきます。

パレスチナの人々の暮らしの実情、抵抗運動の歴史的変遷、国際社会の動向、そしてそれらを伝えるメディアの役割と課題―。 本セミナーは、長年の実体験を持つ房子氏の視点と、現代のメディア状況を熟知するメイ氏の分析を通じて、パレスチナ問題の多層的な理解を目指します。

1945年東京生まれ。1970年代から30年間、パレスチナの人々と共に暮らしなが ら解放闘争を闘ってきた。2000年に逮捕、服役。2022年5月、刑期満了による出所の際には報道陣の取材に応じ、「自分たちの戦闘を第一にしたことによって、見ず知らずの無辜の人たちに対しても、被害を与えたことがありました。 そのことは、古い時代とはいえ、この機会におわびします」と述べて謝罪した。主著「わが愛わが革命」 「革命の季節 パレスチナの戦場から」「戦士たちの記録 パレスチナに生きる」「重信房子がいた時代」「はたちの時代60年代 と私」「歌集 暁の星」「パレスチナ解放闘争史 1916-2024」

ジャーナリスト。中東問題に精通し、ジャーナリズム論やメディア報道のあり方について研究を重ねている。現在、ドーハ在住で、Al Jazeera Media Institute (AJMI)の「Al Jazeera Journalism Review」の英語版編集⻑を務めるかたわら、Al Jazeera Media Initiative (AJMI)のeLearningジャーナリズム教材のプロデューサー を兼務。1997年、ベイルート・アメリカン大学を卒業後、同大学院で政治国際 関係論を専攻。2011年、同志社大学大学院でメディア学を専攻、博士課程を修了。中東問題を中心に幅広く講演活動も行なっている。主著「秘密ーパレスチ ナから桜の国へ 母と私の28年」「中東のゲットーから」「アラブの春』の 正体 ‒欧米とメディアに踊らされた⺠主化革命」