在日香港人らによる香港デモへの会見概要

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2019.12.02
201911月18日(月)14時30分〜16時
渋谷・道玄坂会見場
登壇者
10月13日「香港応援デモ」主催者メンバー(ラム、ペイ、チェン、シャオ、ラ)

ラム 本日は皆さんの貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。この場を借りて「逃亡犯条例」改正案反対運動における香港の民主化デモをめぐる交流ができることに感謝を申し上げます。私たちは日本に住んでいる香港人、そして10月13日の香港応援デモの主催者のメンバーです。
私はラムです。よろしくお願いいたします。会見のアジェンダはこちらでございます。

初めに香港の現状について説明します。次に日本での活動の目的を説明し、在日香港人としての気持ちと、日本人に伝えたいことをお話しします。最後に質疑応答の時間を設けますので、是非最後まで香港について、あるいは在日香港人について何か質問があれば、よろしくお願いします。

ペイ 質疑応答の時間に英語での質問を承っておりますので。英語での質問には英語でお答えすることもあります。よろしくお願いいたします。

ラム はい、こちらはアジェンダです。
まず、今回の会見を通じて、日本人に日本のニュースではあまり記述されていない香港のこの「5カ月間の香港民主化活動について知っておいたほうがいいこと」を説明したいと思います。
「逃亡犯条例」改正を反対を始め、香港の民主化運動が6カ月目を迎え、香港の歴史では一番長い社会運動でしょう。運動がまだ続けられている理由はリーダーが存在しないことです。明確なリーダーや指導組織は存在しないので、「雨傘運動」のように、デモを支えている議員や団体のリーダーが逮捕されても、デモが続けられます。

市民もSNSで集会やデモの情報を拡散し、自発的にやってきます。ここにいる5人の在日香港人ももともとお互いを全く知らず、今でもお互いの本名を知らないままです。
この5人は自発で日本で活動していて、香港にいる香港人のみんなを一緒の信任を持っています。
お互い知らない市民が「ブラックブロック」という服装──黒いTシャツ、黒いズボン、黒いマスク、ヘルメットをして、デモや集会に参加します。日本人から見ると、ヘルメットを被ることによくない印象がありますが、「ブラックブロック」には深い意味があります。
当初、黒い服装をすることは自殺したデモ参加者を追悼するためでした。しかし、看過されている平和だったデモに参加した市民がなぜか逮捕され、デモでは警察にビーンバッグ弾で頭を撃たれ、催涙弾で鎮圧されました。

逮捕対策として、顔で特定されないようにマスクをかけ、ビーンバッグ弾の対策でヘルメットをしています。さらに催涙ガス対策の防毒マスクもしています。「ブラックブロック」という服装は自分たちを守るためです。
顔が特定されるのを恐れてマスクを被ることはただ一つの香港が中国化している例です。インターネットの規制や広東語が失われる危機につながる北京語の学校教育の推進などの「中国化政策」が徐々に行われています。このままだと、いつか香港でもYou TubeやフェイスブックなどのSNSにアクセスできなくなって、1国2制度で香港に与えられる自由と民主がなくなるでしょう。
香港人は今回の運動で持つべき香港の民主主義を取り戻したいです。

チェン チェンです。今、香港の実際の状況を皆さんに伝えたいと思います。皆さんは最近、香港のデモが激化しているという情報をよく聞いていますね。
デモ参加者は今、激しいことをやっています。これは事実です。しかし、半分以上の香港人はそれを理解し、指示している人も少なくないです。

一見おかしいかもしれませんが、理由はちゃんとあります。最初からデモ参加者の行動激しかったわけではありません。デモが激化する前にこんなことがあったんです。
まず、6月9日、大規模デモが行われました。103万人が参加し、当時の要求は「逃亡犯条例」の撤回、この一つのみで、とても平和なデモでした。

しかし、翌日に政府は「『逃亡犯条例』の撤回はしない」と宣言しました。1週間後、6月16日、さらに参加者が200万人に上る香港史上最大のデモが行われました。警察の権力横行により、要求は5つに増やされました。
変わらず平和なデモでした。しかし、皆さんご存じの通り、5つの要求について政府は一つも応えませんでした。

「平和なデモだけでは駄目だ」と政府が私たち香港人に教えました。6月から今まで、この5カ月間、香港のデモは激化しているというより、「香港のデモは多様化している」という言い方のほうが適切でしょう。
はい、次のスライドです。この活動は「人間の鎖」、「レノンウォール」というメッセージボード、クラウドファンディングによる世界中での新聞広告の掲載、反政府の立場を持つ店だけを利用することなど、いろいろな手段でデモをし続けています。

カンフースター、ブルース・リーの言った通り、「Be Water(水のようになれ)」と私たちが行動しています。
「上善は水のごとし」──状況に応じて柔軟に対応します。伝統的なデモを行う人もいれば、斬新な集団で自分の訴えを上げる人もいます。できれば、みんな平和で安全なデモに参加したかったのですが、残念ながら、政府と警察は2カ月前に「覆面禁止法」とデモの申込制度を利用し、平和なデモを抑えています。平和で大規模なデモを行うことがもはや不可能になっている以上、デモの形式を激化せざるを得ませんでした。

以上の経緯をよく知っている香港市民たちはデモ参加者の激しい行動を理解しているそうです。香港中文大学は10月に751人の香港市民に電話を用いたアンケート調査を行いました。この調査によると、大規模平和デモに対して政府が反応しなかった以上、デモ参加者が激しい行動を取ることは理解できる香港市民が約60%に達しています。その中で、デモ参加者の激しい行動に対して受け入れ難いものが全くないと思っている人は45%も占めています。

デモ参加者の激しい行動は大体の市民たちに受け入れられているとも言えます。恐らくそれらは意味のある行動だからです。警察が横暴を極めているから、警察へ反撃します。警察の進撃を止めるため、ものを燃やし、火炎ビンを投げます。デモ参加者が政府支持者に法杖や棍棒で襲われて、警察に通報しても逆にデモ参加者が逮捕されてしまいます。

このようなことが何度もあったため、「これからは警察に頼らず、自分たちのことは自分たちで守るしかない」と思っている人も多いです。地下鉄駅を破壊するようになったのは、地下鉄駅のスタッフが何度も警察の行動に合わせ、市民をデモに参加させないように、デモ参加者を逃さないように、駅を閉鎖したからです。

こう見ると、デモ参加者の激しい行動は明らかに政府と警察を対象にしています。激しいとはいえ、目的は明確です。
ご覧ください。香港中文大学の11月15日に発表された最新のアンケート調査です。この調査によると、社会における暴力がエスカレートしていることに対し、デモ参加者よりも香港政府と警察のほうが大きな責任を担っています。

 

香港警察の対応

シャオ こんにちは。私はシャオです。
次は香港警察のやっていることについて説明したいと思います。
警察が公表した数字から見ると、6月12日、つまり、デモ早期の送達で催涙弾150発、ビーンバッグ弾20発、ゴム弾数発を撃ちました。そして、これは10月1日の数字です。催涙弾1400発、ビーンバッグ弾190発、ゴム弾900発。しかも実弾も6発を撃ちました。

警察が使っている武器の数は恐ろしいスピードで増えています。「これはデモの激化に対する必要な対応だ」という意見がありますけど、実際はそうではないです。国際人権NGO「アムネスティ」が9月20日に公表した報告によると、香港警察の行為から復讐心理が見られています。

メディアの映像を実際に見ると、それは明らかです。撤収しているとき、デモ隊がいないにも関わらず、記者に催涙弾を撃ったり、逮捕されて反抗できないデモ参加者を激しく殴ったり、このような武器の使用が必要だとはとても言えません。警察は今、デモ参加者だけでなく、一般人、記者や議員さえも「ゴキブリ」と呼んでいます。
「ゴキブリだから人じゃない。人じゃないから人権がない。侮辱しても構わない。殺しても平気」──これが今の香港警察の考え方です。

これだけではなく、警察が6月から今まで催涙弾を計9362発使用しました。それに10月から中国製の催涙弾を使い始めました。前に使っていた外国製の催涙弾に比べて、弾丸の温度が高い。香港大学化学系のケイ・コン博士によると、今、香港警察の使っている催涙弾はダイオキシンという有毒物質を放出しています。ダイオキシンは人の成長過程に悪い影響を与えるだけではなく、がんにも関わっています。

しかも、空気で拡散し、取り除くのが非常に難しい。先週、デモ前線で取材している新聞記者が「クロロアクネ」と診断されました。これはダイオキシンを大量に吸収したことによる症状です。
警察は明らかに違法な行為をしています。常に情緒が不安定そうな警察が人を殺せる武器と権力を持ち、毎日、自分勝手にその武器と権力を使って、市民を無差別に攻撃しています。

しかし、警察が勤務中に提示すべき自身のID番号を隠しているので、市民は違法行為をした警察を特定することができないのが現状です。
警察の上層部による記者会見はデモ初期から毎日行われています。しかし、記者やジャーナリストが事件に関連したニュースやライブ映像を使って指摘するまでは、警察上層部は警察が行った数々の不合理な悪行に対し、一貫して否認し、責任から逃げるばかりでした。

警察側からの謝罪は一切ありませんでした。それにデモ現場で一部の警察がデモ参加者に扮して、本当のデモ参加者に過激な行動をするように煽ることや、デモ参加者に撤退するよう呼び掛けをし、撤退するデモ参加者を逮捕することなど、嘘をつく行為も多く見受けられています。

加えて、警察を観察する制度も極めて不健全であるため、真っ赤な嘘をついている警察に責任を取らせることが不可能になっています。最近、警察に逮捕されたあと、警察に集団レイプされた16歳の少女による訴訟もありました。この事件の情報を基に調査できる権力も警察だけが持っています。
「警察が本当に自分の調査をするのか」と私たちは疑問を抱えています。よって、私たち香港市民はもう警察を信じられません。

香港中文大学の調査によると、警察を完全に信頼していない人の割合が半分以上を超えました。警察を信頼できると考える人の割合がわずか20%くらいになっています。

なぜ、例の条例が撤回されたにも関わらず、まだデモを続けているのかについて説明します。 6月に比べて、8月からデモに参加する理由はもはや条例を撤回させることだけではなく、警察の対応への不満を訴えたいからです。以下のグラフをご覧ください。
このグラフはデモの現場で行われた調査の結果です。8月の時点において、デモ参加者は「逃亡犯条例」の全面撤回よりもデモに対する警察の対応に関心を寄せるようになりました。
それに加えて、香港市民の警察への信頼度がどんどん下がっています。香港市民は今、警察を信用していないため、もう警察に通報しないようにしています。このグラフによると、7割の市民はデモ参加者の身柄確保程度の正当防衛は許しています。
じゃあ、なぜ、この結果に至ったか。実は背後の原因は香港政府にあります。香港警察を動かせるのは香港警察で、香港の行政長官は中国政府より選ばれました。この組織の体制を見ると、警察の背後は中国政府が指示しているため、暴力がエスカレートしても、何の問題もありません。誰も警察を裁けないからです。

警察の体制を改善しても、真の普通選挙がない限り、問題は解決されません。香港政府の体制を全体的に改正したほうが香港は前の繁栄に戻れると信じて、5つの要求の中に真の普通選挙も含まれています。
香港市民は今、警察の横暴に対して抗う術はもうないので、デモをエスカレートさせる、もしくは海外の助けを求めることしかできません。

 

日本での活動

ペイ ペイです。
香港の状況を知っていただいた上で、日本での香港応援活動についてお話をさせていただきます。
日本に在住している香港人の考え方を透明化するため、この運動についてのアンケートを実施し、82の有効回答数が得られました。チャイニーズ香港人として、行動で香港デモ参加者を応援したい気持ちを聞きました。全ての参加者が「応援したい」と答えています。

このように日本に住んでいる香港人は香港にいないにも関わらず、実際の行動でデモを支持したい人がほとんどだということがわかります。
実際、今年の6月から今日まで、東京や大阪で集会、デモ行進、街頭宣伝など、香港応援活動の数は10を超えるくらい。絶えずに続いています。

私たちがスタッフとして関わった10月13日のデモ行進では約1200人の参加者が集まり、香港人はもちろん、香港を応援してくださる日本人や台湾人、中国人の方もたくさんいらっしゃいました。10月4日に緊急法による覆面禁止法の実施が発表され、香港社会に有無を言わせず、その翌日には施行されました。その怒りや悲しみが10月13日のデモの発起のきっかけになったと言えます。

10月13日のデモ行進、10月末のハロウィンイベント、11月2日の代々木公園の集まりなどの開催に携わってきて、わかったことがあります。日本でデモ活動の申請自体はあまり難しくなく、警察の方からも積極的に協力してくださいましたが、集会を開催するのに数百人規模の会場を押さえることはかなり厳しかったです。

また、香港のほうも毎週ないしは毎日、新しい状況が発生するので、日本でも急遽翌週のデモ活動が決まることがほとんどで、前もって集会場所を確保することができず、会場予約の必要のないデモ行進よりも難しかったです。

先ほどお話しした通り、日本警察の方はデモ申請のときから当然駆け引きとかもありましたが、全体的には協力してくださいました。でも当日に私服警官も含め、大勢の警察が警備してくださいました。デモ中に過激な中国人から襲われることもまれにあって、毎回それを守ってくださる日本の警察の方に感謝しております。

香港警察に絶望させられている中で、日本の警察の働きを見て、これが本当の警察のあるべき姿だなとあらためて思いました。
また、暖かく見守ってくださる日本人の方にも感謝です。これからも香港の状況がよくならない限り、日本での活動は続いていくと思います。ぜひともご理解、応援をお願いいたします。

 ラです。
私たちは日本にいますが、香港に、そして全世界にいる仲間たちと心はつながっています。香港人であることは私たちにとってアイデンティティーの重要な一部であり、香港が揺れるたびに私たちの心はすり減らされていくように感じます。そのため、在日香港人として私たちは集会やデモといったさまざまな形で香港の仲間を応援したいと強く思っています。

同時に日本人の皆さんとの関係も私たちにとって大切なものです。そのため、香港の応援活動を行う中で、日本人の方々に可能な限り迷惑をかけないようにすることに私たちは最善の注意と努力を払っています。
在日香港人の活動に対する不満や意見を参考に私たちは今後の活動をよりよいものにしていきます。香港の状況がエスカレートしていくにつれて、世界中の多くのマスメディア、ならびに各種のSNSにおいて情報提供と共有が絶え間なく活発に行われ、より多くの注目が集まってきています。

皆様からの関心と応援は私たちの力になります。しかし、同時に中国政府自身、および中国政府によってコントロールされている香港のマスメディアが中国政府にとって都合のいいニュースのみ大々的に取り上げ、あるいはデモ参加者の印象を悪くしようと現実をねじ曲げて報道することを私たちは何よりも懸念しています。
香港人である私たちでさえ、膨大な情報の真偽を判断するために日々尽力しています。そのため、日本の皆さん、どのような情報であっても、鵜呑みにせず、陰謀にだまされないよう気を付けていただけると幸いです。

この場を借りて日本政府ならびに日本国民の皆さんにお願いします。香港は今、深刻な状況にいます。昨晩、一部の警察が救急車の中に隠れて、突然飛び出して、デモ参加者に向けて3発も実弾を発射しました。

また、私たちは昨晩徹夜で香港理工大学に関する中継を見ていました。香港理工大学は香港警察によって完全に包囲され、大学一帯の全ての道路および大学の全ての出入口が封鎖されていました。
警察は構内にいる人々に向けて、「あなたたちに残されている選択肢はただ一つ。それはそこから出て、投降することだ。さもなければ、私たちはあなたたち全員を逮捕する」と言い、大学のいくつかある出入口のうちのたった一つを出口として設けました。

しかし、その30分後に警察はその出口に向けて何度も催涙弾を発射し、出口から出てきた人をすぐに逮捕しました。逮捕された人の中に大学内でボランティアとして援助活動をしていた医療関係者が多くいました。
また、一人の議員が大学の中にいる人の脱出を手助けしようとしたが、警察の催涙弾および音波砲による攻撃をされました。

警察のこれらのやり方は人道に反します。また、「私たちは天安門事件を再現する」と叫んだ警察もいました。それだけでなく、警察は大学の中にいる全ての記者に大学から出るよう命令し、香港市民が大学内の状況を把握できなくしました。
また、同日、14時ごろに警察上層部は「実弾銃をはじめとする致死的武力を行使する」と明言しました。
これらのことから、警察は何をしたとしても、デモ参加者を皆殺しにしようとしているとしか考えられません。香港理工大学にいた学生、および高齢者を含む支持者は皆、そのときは遺書を書き残し、決死の覚悟を決めていました。

本日12時時点の最新情報によると、現時点でもなお香港理工大学は警察に包囲されています。構内にはまだ最低500人はいます。
香港理工大学の学生会会長によると、現在構内には多くのけが人がおり、少なくとも3名が目にけがを負っており、40名が警察の放水車に直撃され、低体温症の症状が見られています。
構内にいた医療関係者や救急員が警察に逮捕されたため、今の現場ではけが人の手当てをするための資源も人員もひどく不足しており、構内の状況は悲惨なものです。

この場にいる私たち5人は言うまでもありませんが、日本にいる多くの香港人がすぐに現場に出向き、構内を含む香港にいる仲間たちを助けたいと強く願っていたのでしょう。しかし、遺憾なことに私たちはそれができませんでした。
この5人の私たちには、記者会見を借りて日本や世界各国の皆さんに香港の現状を伝え、皆さんの助けを乞うことしかできませんでした。

私たち香港市民だけでは、香港を守ることはもう無理です。人殺しまでする暴挙に対して沈黙を続けることは共犯者同然です。
日本および世界各国が行動を起こし、香港を応援してくださることを切に願います。どうかよろしくお願いします。

 

質疑応答

司会 では、質疑応答の時間に入りたいと思います。正会員の方から、どうぞ。

片田直久 今日はありがとうございます。フリーランスで取材をしております日本ジャーナリスト協会運営委員の片田と申します。正会員として質問させていただきます。
香港でのデモ、日本における皆さんの活動は今後どういう状況になれば、ゴール、着地するとお考えでしょうか。

 一部の質問に関してはチェンさんによってまず広東語でお答えして、私がその場で和訳していきます。

チェン (広東語で答える)

 (チェン氏の回答を通訳)まず、一つのこういったデモや政治的な活動において一つの方法としては話し合い、交渉がありますが、今回の活動に関しては交渉はもう可能性として考えられません。
その原因としては「雨傘運動」において確かに5名の学生、代表者が(香港特別行政区)行政長官のキャリー・ラムと交渉を行いましたが、その5人のうち4人はその後逮捕されています。

チェン (広東語で答える)

 (チェン氏の回答を通訳)質問のもう一つのポイントに対して、どのような状況になれば、終わりと言えるのかについてなんですけど、正直、全てのこの活動における参加者に聞いても、皆さん模索し続けています。
この活動は日々変わっているので、決して「これでいい」と言えるものではないと私たちは強く思っています。
しかし、私たちがここで断言できるのは、「5つの要求」は1つも譲れません。そして、その中でも最も大事なのは、決して譲ることができないのは、「真の普通選挙」です。

チェン (広東語で答える)

ラ (チェン氏の回答を通訳)そして、私たちの今回の活動において中国政府に支配され、コントロールされている香港政府を変えることができなければ、香港政府を監視する方法を確定させなければ、仮に今回の活動が成功したとしても、失敗したとしても、今後同じような状況に陥ることは容易に予想されます。
そのときは今回みたいな大規模なデモ、あるいはさらに大規模なデモが行われる可能性は十分にあります。

フリーランス・小川 フリーランスの小川と申します。香港のこの運動は「雨傘運動」から取材しておりまして、皆さんたちが行われた10月13日の外務省前のデモも取材させていただきました。
そこで確かペイ君とあのとき、お話をさせていただいたと思いますが、これは日本人側の問題です。1つ、重要な問題があります。

皆さん、「警察はゴキブリと呼ぶ」「人でないから人権がない」「だから、大丈夫なんだ」というようなことを問題点として指摘されておりました。
皆さんのデモの中に日本で「ヘイトスピーチ」を行う人間が参加しておりました。それ以前、8月、9月に香港人の方たちが取材したときには、その人物を何とか排除というようなお願いをしようとしておったんですが、まあ、居座るような姿勢もありました。

まあ、問題なのは、彼は東京地裁から「ヘイトスピーチ」というようなことは認められている奴なんです。そういった人間というのは、本当に皆さんとは連帯をしてほしくないし、日本人の側でもっと排除すべきだったと思っておりました。
ただ、それについては、ペイ君、「今後排除したい」というのをあの現場で聞きました。そうですよね?

ペイ あ、質問、最後で。

小川 ああ、質問ですね。あのときに私は質問で、そういう「ヘイトスピーカー」、「ヘイトスピーチ」をやるような人間はまあ、参加を辞退してほしいというのは、行ってましたよね。対策していかないといけないと。

ペイ はい、そうですね。ご意見をいただいて。

小川 そうですね。はい。
私もそれに本当に賛同します。ただ、問題なのは、皆さんの中で土曜日に渋谷の活動に参加された方がいらっしゃいますよね。それにも、その「ヘイトスピーカー」を行う男はいました。

えー、この男は何度かそういうところに。というか、6月からずっと出ておりまして。
私は日本人として、そういったのに参加してほしくなかったんですけど。なぜか参加が許されておりました。

あの、本当に皆さん、人権というようなことを言ってるんであれば、他人の人権を侵害する人間というのと一緒に行動するというのは、これは全く話にならないことだと思いますので。もし、本当にそういった人間との連携をやってきたことがあるのであれば、反省もしてほしいし。これからは絶対にやらないでほしいなということです。それについての見解をお願いします。

 あの、1つお聞きしたいのが、具体的にその方が、過去におっしゃったことのある「ヘイトスピーチ」について具体的に。

小川 はい、これは土曜日の代表の方などには6月から私は伝えておったことなんですが、神奈川新聞2019年7月6日、これは記事がネットで出ております。〈差別的言動で東京朝鮮中高級学校(東京都北区)を誹謗(ひぼう)中傷するヘイト街宣を繰り返している人物に対し、東京地裁(古谷健二郎裁判長)は5日、同校周辺での街宣活動を禁止する仮処分決定を出した。最寄り駅での実施予告を受け学校側が申し立てていた。代理人を務める弁護団によると、ヘイト活動を禁じる仮処分は川崎市川崎区桜本でのデモに対するものなど4例目。決定は「名誉を毀損(きそん)し、侮辱するなど、学校の業務を妨害する一切の行為をしてはならない」と命じ〉──。

司会 あの、すみません、ちょっと、もう長くなりそうなんで。

小川 ははは(笑)。ごめんなさいね。

司会 簡潔にお願いします。

小川 はい。えー、で、2通目があります。〈東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重〉ということで、10月16日にも東京都から、これは「ヘイトスピーチ」と認められております。ごめんなさいね、すみません。
そういう人物です。あのー、資料は差し上げます。あなたたちも見たことがある人物だと思います。

司会 はい、では、他に。趣旨の、今回は質問を受けておりますので。ご意見としては後で。直接言っていただければ。

 簡単にお答えしたいと思います。

チェン (広東語で答える)

 まず、大前提として私たちここにいる5人、またはデモに参加している誰一人も全員を代表して何かを言うというようなことはしませんし、できません。

まず、もう一つの今回のデモ活動の大前提として私たちにはリーダーや指導集団などいません。なので、デモ活動に参加している特定の人に関する発言や行動を禁止するなど、排除するなどのことは誰一人そういった権利は持っていません。そして、私たちもこのような仲間を排除するような活動、行動をしたくないと思っています。

小川 「ヘイトスピーカー」が仲間ですか?

チェン (広東語で答える)

 (チェン氏の回答を通訳)
先ほど言った「仲間」という単語についてはもうちょっと補足するんですけど。デモに関して、そしてデモの活動に参加している多くの人がいて。その人たちの背景もそれぞれ違っていて。異なることを言っています。

仮に、とある集会や活動において「ヘイトスピーチ」をした参加者がいたとしても、聞いている側には、その発言に対して自分の意思でそれはどういったものなのかを判断することはできると思います。
人それぞれ自分の考え方や信念を持っているので、それは、なので、その聞いた側の本人たちの判断と、考え方が大事だと思います。
そして、各参加者がどのような発言をするのも、発言の自由があるので。そういった誰かの発言を禁止したりすることもしたくないし。できないと思います。

チェン 少しだけ。(広東語で答える)

ラ (チェン氏の回答を通訳)
しかも、今話し合っているこのテーマには民主主義の一つの大きな特徴であることを強調したいと思います。民主主義なので発言の自由があって、それぞれ自分の言いたいことを言う自由があります。

でも、それと同時に聞く側も、香港人も日本人も、どの国籍の人も、世界中の人も自分の判断力があって、自由に発言していい場において発言されたことに対して、どういうふうに判断し、どういうふうに受け入れて、どういうふうに自分の意見をさらに言うのかは、人それぞれの権利でもあって。また、この場みたいに、とある人の意見に対して、「私たちはこう思っています」という話し合い、討論、ディスカッションというのも、民主主義の上で大事な特徴であり、誰かのそういった自由を奪うことは決して正しいことではありません。

小川 (回答をさえぎって)世界的に「ヘイトスピーチ」は──。

司会 はい、すみません。打ち切らせていただきます。次の質問。

 

立場新聞・ヨウ (広東語で質問)

チェン (広東語で答える)

司会 ちょっと簡単に日本語で解説していただけるとありがたい。

 (チェン氏の回答を通訳)
先ほどの記者は香港が来週に控えている議会の選挙について。区議会選挙について私たちを含む在日香港人が香港に戻って、投票に参加するか、しないかと聞きました。

実際にそうった数字や調査は私たちは行っていないんで、確実なことは言えないんですが。私たちの知っている在日香港人の知り合いとかの話では、今週中に香港に戻って投票をする意思を持っている、する予定である人たちはいます。

しかし、一つの懸念すべきものはデモの状況などにもあり、政府はこの議会の選挙を取り消して、キャンセルする可能性は十分にあるので。そういうのもありますが、それも踏まえて、在日香港人は戻って、いざというときには投票できるように備えておきたいという覚悟、気持ちが強いです。
仮にその議会の選挙がキャンセルされたとしても、それも許し難いものなので。それに対して、何らかのイベントや活動が行われる可能性は十分にあります。

ラム ヨウさん、今、もう一つの質問があって。それは「これからわれわれの活動はどうしますか?」という質問に対して、まず広東語でお答えします。
(広東語で答える)

 (ラム氏の回答を通訳)
まず、はっきり言うと、正直言うと、今、これからのイベントはまだ決めてないです。今、香港の大学の状況により、実はそのデモの活動もボトルネックになってしまいました。しかも、今日、米国の国会、「(香港)人権・民主法案」をパス(可決)するかどうか。それにかかっています。
もし、それがパスしたら、香港のデモに対して、もう違う形になるかもしれないし。ここはまだわからない状況です。
あとはこの法案により、日本でどんな活動をするか、検討しています。以上です。

ペイ すみません、補足ですが。広東語で先にお答えします。
(広東語で答える)
日本語で短くまとめます。
われわれのこれからの活動というわけではないんですけど、11月24日の選挙に対して、香港ではこういった動きがありまして。その選挙を監視するための独立委員会を立てているという話を聞いてまして。それは全世界で各国の政治家の人物とか。もしくは、各国の影響力のある方を招いて、その選挙の監視委員会を作っているということで。

すでにいくつかの国から政治家なりの方が協力してくださるという話になっていますが、日本側ではまだ見つかっておらずという話は聞いてまして。ちょっとそこは是非とも何か、うまく日本側からも協力していただける方がいればいいなというのが、今、強く考えているところです。以上です。

フリーランス・山本 フリーランスでニュースの編集をやっております山本と申します。
おうかがいしたいんですが、現在の香港の前提であるはずの中国の一国二制度が2047年に終了するんですけども。皆さんの、皆さんというか、現在の活動が求めている5大要求はわかるんですが、普通選挙というものも先ほど重要だというお話がありましたけれども。現在の活動と、2047年の一国二制度が終了するタイミングとの整合性といいますか、そのつながりについて、実際の方々に意見を聞きたい。

まあ、ちょっと極論ですが、中国からの独立といったことを考えている若い方もいらっしゃいますか。活動している人の中には。それを教えてください。

ラム まず、香港は中国から独立することは考えていません。それは今、5つの要求でも書いてありません。なぜかと言うと、それはみんな今、一国二制度を守っていきたいです。その一国二制度は山本さんが言った通り、2047年まで続けられるんだけど、そのあとにはどうなるか。まだ考えていません。

それは今の運動で感じたことです、自分は。この運動は毎日違うことが発生していて。昨日の(香港)理工大学の中継を見て、もう1日、あるいはもう一晩で香港の状況はかなり大きく変わったわけです。
なので、今はまず今の状況を、今の香港の民主主義を取り戻したいです。そのあとの、まず、取りあえず、(一国二制度が存続する2047年までの)残りの20何年の時間は民主主義を守りたいです。で、補足を。

チェン ちょっとチェンが補足します。
(広東語で答える)

 (チェン氏の回答を通訳)
あらためて強調すると、香港は独立することは考えていません。一国二制度に関しては1997年のときに英国の植民地から中国に返還されたときに、中英連合声明において、香港は一国二制度など、あと、行政長官や(香港特別行政区)立法会に対する普通選挙などといった権利が香港には約束されています。

しかし、特に強調したいのは、普通選挙に対して政府は
いまだにその約束を果たしていません。なので、それも「雨傘運動」の発端、原因の一つ、中心のコアの部分でもあり、私たちが今回の活動で5つの要求の中に「真の普通選挙」を含めているのも、ただ1997年で約束されていたはずのものを、さすがにもう約束を果たしてくださいと、あらためて強調してお願いしているだけであって。新たな何かを要求しているわけではありません。

学生・森上 先ほどですね、日本の警察の方に対してすごい肯定的な意見が聞かれたんですけど。日本の警察も沖縄の辺野古なんかで香港と同じようなことをしていると思うんですけど。そういったことについて何かご意見ありますか。

シャオ まず、私が言いたいのは、沖縄の問題と、香港が今抱えている5つの要求と今迎えている問題は一切関係ないと思います。

ペイ すみません、沖縄問題に対しての日本の警察の方々も、結構、香港の警察の今のようなやり方で乱暴にやってるんじゃないかっていうことに対して、正直申し上げますと、そこまで詳しくないというのが事実でして。例えば、沖縄での警察はどういった対応を。
ちょっと、チェンのほうで補足します。

チェン (広東語で答える)

ラ (チェン氏の回答を通訳)
申し訳ないことではありますが(苦笑)、今、私たち香港人は香港の状況でもう精一杯で。正直、沖縄のことまで考える、考えたい気持ちはあるんですけど、考える気力は正直ないです。

ここで言いたいのは、私たちが東京において活動している中で自ら東京の警察と関わって、そこでポジティブな印象を持っています。さらに強調したいのが、それと香港警察とを比較すると、真逆な印象を持っていることが私たちの伝えたいことであって。もしかしたら、日本の中でもいろいろ事情はあると思いますが、少なくとも私たちが東京で活動をしている中で、関わってきた警察の対応はとても親切で。私たちはとても感謝しています。

フリー・佐藤 すみません、フリーで参加している佐藤と申します。
今日は香港デモの会見で時間もすごく限られている中で、先ほどの「ヘイトスピーチ」の質問とか、今の質問とか、ちょっと趣旨から外れていると思うんですね。

民主国家なので、何でも自由に言えるんですけど。皆さん、もっと香港のことを心配して来ているので。ちょっと何か違う質問で。香港デモの会見としての質問をしてほしいですね。
何か、大変だと思います。今の質問に対して答えるというのは。私も沖縄では辺野古基地反対とか。本当に思っていますけど。今する質問じゃないと思います。

登壇者 ありがとうございます。

東京ヘッドライン・丸山 東京ヘッドラインの丸山と申します。今日は貴重なお話ありがとうございます。
おうかがいしたいのが、最後のほうで海外の人にも是非行動を起こしてほしいとおっしゃっていました。具体的に何か日本政府であったり、私たちメディア、またはニュースを見た一般の人たちに何か寄り添ってほしいことがあれば、是非教えてください。

ラム はい、質問ありがとうございます。
私たちは日本政府に何をやってもらいたいかというと、主に2つあります。
1つ目は人権侵害する香港人の日本への入国を禁止することです。香港人の海外旅行先のランキングでは東京と大阪は実は2位と4位なんです。毎年日本に旅行する香港人は160万人を超えています。人権を侵害している香港の警察、政府の要員、あるいは議員たちは日本への入国を禁止することでかなり大きな影響が、その人の生活に与えられるでしょう。

2つ目は香港への渡航の危険レベルを引き上げることです。実は日本人が来続けられるのは香港であって、日本人が保護されないことが明らかになりました。
そして、香港経済の中で旅行ビジネスの役割はかなり大きいので、渡航の危険レベルを引き上げると経済面で香港の政府にプレッシャーをかけられると思っています。

ペイ 例えば、先ほどのご質問でメディアは何ができるかということもあったんですけど、先ほどお話ししたように、結構、今、フェイクニュースなんかが大量に、ニセ情報が大量に出回っていて、香港人ですら、真偽の判別が難しいと。それでも、たくさんの人を動員して、ちゃんと正しいかどうかを確認したりしてから、伝えようとしているように努力しています。

例えば、日本のメディアの方にも何か情報が上がってきたら、すぐそれを「多分正しいであろう」と思って報道するのではなくて。もうちょっとソースはどこにあったのか、もうちょっと複数の有力とか信じられるソースがあったかどうか。そういうのをちょっと考えていただいてから報道していただけると、かなり。まあ、ニセ情報で皆さんがだまされないようになると、かなり助かると思います。以上です。

司会 あと、時間の関係で1個か2個の質問になりますが。

フリー・浅野 フリーで参加しております浅野と申します。私自身、チベットの人権をずっとやってきました。今回、この香港のデモのことについてお尋ねしたいことがあります。
まず、第一にデモを続けている方たちに資金援助をしたいという方がたくさんいるんですけれども、どのような手続きをしていったらいいのか。アドバイスがありましたら、教えていただきたいと思います。

それから、もう一つ。メディアに関して、それはフェイクか、じゃないのかという正しい認識を持ってメディアを取り扱う場合には、どういったものがよろしいのか。参考までに教えていただきたいと思います。以上です。

ペイ ご質問ありがとうございます。
まず、1つ目のご質問に対して答えていきます。資金援助ということに関してですけれども。まず、今、日本で、東京ないしは大阪とか、いろんなところで香港応援活動をやって、まあ、いろんな方がやっておりまして。まあ、われわれだけではないんですけれども。

こちらが把握している情報、自分たちの中で言うと、今まで基本的に資金援助を求めようとしたことがなくて。一度だけ、実際のところでいうと、11月の2日、香港人がみんな代々木公園に集まってピクニックをしましょう、で、交流をしましょうというときに、食べ物を買ったりとか、飲み物を買ったりするときに自由にお金を集めましょうというくらいのことはやったことがありますが。
でも、実際、じゃあ、例えば、香港デモ自体に対して資金援助をするということは、まず、こちらは実際にやったことがなかったのと。

例えば、香港デモに協力をしていただけるのであれば、協力の仕方はさまざまあると思っておりまして。先ほど、いくつかお話ししたのもありますが。資金、お金の援助に関しては、実際のところ、肯定も否定もせず、と言いますか。実際、協力の仕方はいろいろあるので。お金じゃなくても。いけるところもあるんじゃないかと思います。

取りあえず、今のところは支援の方法に対してお断りをしたりはしてはいないと思います。実際、こういった募金活動とか、そういうのをやったことがないわれわれからすると、まあ、特にやり方的なアドバイスはできなくて、申し訳ありません。

チェン (広東語で答える)

 (チェン氏の回答を通訳)
補足します。まず、経済、資金援助のことに関してなんですけど。まず、経済の支援をしたいという心はとてもありがたく思っています。それと同時に、香港の経済状況は多分、香港のことを知っている方であればご存じの通り、世界的にはトップのクラスになります。

それと同時に香港人はお互い仲間同士を助け合うという心も強いので、多くの方々がそういった経済支援を香港人の中でされています。
最も何が一番大事かというと、強調したいのが私たち香港人が今、一番怖いのが、心配しているのはお金の問題ではなくて、人々の安全と人権です。それと民主主義はもちろん含まれているんですけど。

日本の方々がもちろんどういった形で支援をするのかは、皆さんの自由であり、皆さんのしたいようにするのが一番いいと思いますし、私たちが何らかの形でやってくださいと強制するつもりもないし、すべきでもないと思います。あらためて言います。

今、私たちがあえて言うのであれば、あえて言うのであれば、ツイッターやフェイスブック、または日常的な会話の中でも、またはネットニュースとかのコメントなど、いろいろな手段が今はあるので、その場において香港人を応援することを言ったり、コメントしたりすることがすごく心強いし。さらに欲を言えば、私たちだけじゃなくて、在日香港人や日本人の方々でも現在はたくさんの香港支援の活動を行っているので、そういった活動に実際に参加して、そこで一緒になって香港を応援するっていう。

別に人数が欲しいというわけではないんですけど、多くの人々が、香港以外の世界各国で香港を応援する人はたくさんいますよ、あなたたちは一人じゃないよっていうのを。香港で頑張って戦っている皆さんにとって、それだけでもすごく心強くて、力になると思います。

なので、形は問わないんですけど、大事なのは気持ちで。別にお金がいいとか、いくらがいいとか。または私たちと一緒にすごく自分のプライベートの時間や家族を犠牲にしてまで手伝うというのを、どれがいいか悪いかという判断は一切なく、気持ちでやりたいようにやってくださるだけで、香港人は皆さん感謝しています。

会場 (拍手)

シャオ フェイクニュースをどうやって判断したか。それについて少し補足したいんですけど。実は私は1回か2回くらい、日本のテレビ局にクレームしたことがあります。

番組の名前を言うと、ちょっと、この場では言わないんですけれども。実は7月ごろ、朝番組でその「逃亡犯条例」がまだ撤回されていないのに、その朝番組のゲストがすでに「『逃亡犯条例』が撤回したけど、香港人のデモが今、暴動化をしている」っていう。事実ではないコメントをしていました。だから、それについて、どこから把握した情報かは私はわからないんですけど、まあ、番組だと、日本で香港のことを知らない人たちに真実を伝えるべきなのに、違う情報を言ったのもちょっと悔しいと思ったので、クレームをしました。

このようなことに関しては、2度とあってほしくないと思っています。フェイクニュースなんかについても慎重に扱ってほしいと思います。以上です。

不明 (広東語で質問)
すみません、日本語で。フェイスブックで理工大学の教授の話によると、理工大は理工系の大学であれば当然、化学物質をたくさん取り扱っております。そこでもし、中のprotesterたちはすごく追い詰められた状態であれば、最悪、その化学物質を使って密室で自殺とか。そういった可能性は大いにありますし。

あと、そういった化学物質はダイオキシンよりも非常に毒性が強くて、感染する場合、範囲がものすごく広いので。それについて何か日本社会および国際社会に対して警察が平和的な撤退を許すように圧力を加えること、呼びかけをする予定があるかどうかをお聞きしたいですね。

チェン (広東語で答える)

 (チェン氏の回答を通訳)
すみません、3秒ください。
先ほども何度もフェイクニュースをめぐってお話をしているんですけど。この情報に関して、正直私たちは今初めて聞きました。それがフェイクニュースかどうかという事実確認はさておき、今はこの場ではできないので。確実な意見や判断、断言することはできません。

しかし、強調したいのが、確かにおっしゃる通り、最前線で戦っている若い私たちの仲間が多分、想像を絶するほどのプレッシャーやストレスを抱えながらも、諦めずに戦い続けています。それは「香港のためだから」という素晴らしい考えだと思うんですけど。

それによって、人間なので、こういった想像を絶するストレスを抱えながらも頑張り続けているというのは、多分皆さんもこういった心配につながると思います。確かにそういうことを行う方がいないとは言い切れませんし、人間なので、誰が何をするのか。こういう状況において何をしてしまうのかについては何も言い切れません。
たとえ撤退なのか、反撃なのかにおいて、どういった形式だとしても、ちょっと乗じて言いたくはないんですけど、想像を絶するようなことをしてしまう可能性は十分にあります。私たちは否定しません。

しかし、行動をする、しないという以前に、まず、そういう可能性を生み出した責任は誰にあるのか。皆さんに考えてほしいです。
今、デモの最前線にいる人たち。最前線じゃなくても、私たちだとしても、もともと普通の香港人で、普通の生活をしていました。しかし、今こうやって記者会見で登壇して、また最前線でいろいろ皆さんは一部の日本人が理解できないようなことをしてまで民主香港を守ろうとして。

それは本当にみんなしたいからやっているんじゃなくて、せざるを得ないのでやってしまっている。仕方なくやっているのが現状にあります。
このような「するしかない」という状況に追い込んだのは誰なのか。他の人たちが、本人じゃなくて、他の人たちが。香港の人じゃなくて、むしろ海外の人たちまでそういった自殺行為だけじゃなくて、他者に加害する、被害を与える行動をしてしまわないかという心配をしてしまうほどの状況に陥った原因として責任を持つべきなのは香港政府と香港警察にあると思います。

なので、本当に普通の若い人たち、若い人たちだけじゃないんですけど、どういう年齢、どういう背景、どういう生活をしてきた人たちであっても、今は窮地に立たされていて、必死でもがいています。
いろいろな心配はあるんですけど、その発端として皆さんに一番考えてほしいのは、香港警察と香港政府です。

ペイ すみません。最後に言いたいことがあります。
(広東語で発言)

 時間顔している中、大変申し訳ないんですけど、この場を借りて香港にいる仲間たちに伝えたいことがあるので、是非この時間を借りて広東語のみになりますが、香港の仲間たちに伝えたいメッセージを伝えさせていただきたいと思います。

(登壇者が広東語でメッセージを伝える)
【広東語】 係記者會開始前我們收到前線手足的訊息,容我們代為傳達: 「面對殺人政權,如果仍保持沈默,那你就是個幫兇。」 這是手足在理大和各區冒著生命危險為我們爭取訴求的同時,對我們作出的吶喊。 我們不能要求大家做些什麼,只希望大家多行一步,哪怕只是一小步也好,我們每個人的一小步,就是香港的一大步。 對於在前線奮戰的手足,我們表示感激。雖然身在日本隔岸觀火,但我們會盡我們最大的努力,在國際戰線對大家作出支援。 加油。 光復香港,時代革命。 五大訴求,缺一不可。 —-

【日本語】 記者会見の開始前に、私たちは最前線の仲間からメッセージを頂きました。代わりに伝えさせて頂きます。 「殺人政権を前にして、沈黙を守る続けるのであれば、あなたも共犯者だ。」 これは、仲間が香港理工大学や各地区において命がけで私たちの要求のために戦っている最中、私たちに向けた叫びでした。 私たちは皆さんに何かをしてくださいと要求することはできませんが、ただ皆さんにもう一歩踏み出してほしいとお願いしたいです。どんなに小さな一歩であっても、私たち一人ひとりの小さな一歩は、香港の大きな一歩になります。 前線で奮闘している仲間に私たちは感激しています。日本という海外の地からではあるが、私たちは私たちの最大限の努力を払い、国際戦線において皆さんの支援をしていきます。 がんばって。 光復香港、時代革命。 5つの要求、ひとつも譲れない。

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