第9回日本ジャーナリスト協会賞ノミネート作品決定

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2020.03.04

第9回日本ジャーナリスト協会賞は2019年1月1日から2019年12月31日までの期間に取材、報道、評論などの活動を行い、ジャーナリズムの信用と権威を高めた作品を対象に顕彰を行います。

ノミネート作品及び推薦者のコメント

2019年4月16日付け、東京新聞・榊原崇仁記者
「桜を見る会」何のための会なのか、、、 ameblo.jp/tousekitetsu/entry-12454797342.html
他のメディアが、笑顔の安倍総理が満開の桜の下、振り袖姿の若い女性らに囲まれている光景を何気なく報じる中で、各界で功績や功労のある人たちをねぎらう、という本来の趣旨と異なり安倍氏のお友達が目立つことに疑問を抱き、取材した小さな記事です。その結果、数千万円の税金が投じられているのに、招待者の名前さえ公表されない、と本質的な問題点を指摘しています。
鋭い感性で安倍氏の不正を突いており、この記事を「しんんぶん赤旗」が後追い取材、次いで共産党が調査に乗り出すなど、池に投じた一石が輪を連ねて広がるように各社が総理自身の疑惑・不正をこれまでになく大きく報道し、安倍総理の政治に対する国民の目線を大きく変えました。各国のメディアが社を超えて次々に報道する、メディア本来の役割を認識させました。
些細なことでも大きな問題を孕んでいるのを明るみに出す、典型的な報道の形です。
神は細部に宿る、を思わせる報道であり、大賞候補に推薦します。

常井健一『無敗の男 中村喜四郎 全告白』を
メディアの取材はもちろん、東京地検特捜部の取調べにも一切口を開かなかった男の口を開かせ、その伝説の中身を語らせました。安倍一強支配の打倒を目指すこの時期に、タイムングよく出版されたとも思います。

横田増生『潜入ルポ amazon帝国』(小学館)
潜入取材の第一人者が再び標的として選んだのは「世界最大の小売企業」。時流として、この巨大企業に日本の流通が飲み込まれていくのはいかんともしがたいことなのか。2019年の資本主義の最前線を知る上で欠かせない要素が多々盛り込まれております。

高橋ユキ『つけびの村』(晶文社)
「山口連続放火殺人事件」を追ったルポルタージュですが、日本の地域社会を成り立たせている風土論、文化論として読ませます。東京都心に暮らしていると忘れそうになりますが、噂が人を殺しかねないような集落の匂いを思い出させてくれる事実の集積に脱帽です。

 

2020年3月4日
公益社団法人日本ジャーナリスト協会 アワード選考委員会

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